京都成章-桐蔭学園 前半、激しいタックルで突進を止める京都成章のフッカー長島(左)とプロップ中野(中央)

京都成章-桐蔭学園 前半、激しいタックルで突進を止める京都成章のフッカー長島(左)とプロップ中野(中央)

後半終了間際、トライを決める京都成章のロック本橋(花園)

後半終了間際、トライを決める京都成章のロック本橋(花園)

前半、防御ラインをつくり、相手の攻撃を阻む京都成章

前半、防御ラインをつくり、相手の攻撃を阻む京都成章

 ラグビーの第100回全国高校大会は9日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で決勝を行い、京都成章が15―32で桐蔭学園(神奈川)に競り負け、初優勝はならなかった。京都勢として第85回大会の伏見工(現京都工学院)以来となる頂点を逃した。

 京都成章の「親分」として、いつも先頭に立ってきた湯浅監督が言った。「本当はあかんのかもしれんけど、満足してるんですよね」。先制し、逆転され、同点に追いついた。最後は自分たちのトライで終われた。ただただ、楽しかった。

 体を張った防御で耐え続けた前半に、見せ場があった。次々と味方が突っ込んで相手を逃がさない「ピラニアタックル」が決まり、ミスを誘う。苦しい時間帯が続いても、前回王者と互角の内容で折り返した。

 勝負の分かれ目は、小さなミスから。後半早々、自陣で奪った球をナンバー8森が右へパスしたが、狙い通りにつながらない。地面に転がった球を相手に拾われて勝ち越しトライを許した。森は「コミュニケーションミス。後半勝負になると思っていたのに…」と目を赤くした。

 初優勝こそ逃したが、6試合を戦ったチームは強烈な印象を残した。ピラニアタックルばかりが注目されるが、堅守を支える本質はその一つ前のプレーにある。

 防御ラインに並んだ選手は、目の前に立つ相手だけではなく、常に2人以上の動きを予測している。球を持つ相手にタックルするのか、パスされた次の選手にタックルするのか―。瞬時の判断と動作の切り替えの速さが、成章ディフェンスの最大の特徴だ。一朝一夕には身につかず、毎年春から夏、秋から冬へと地道な練習を重ねてきた。

 チームのアドバイザーを務める元近鉄の大島真也さん(同大出)は「卒業するとメンバーは入れ替わる。結果が出ないときも山ほどあった。それでも試行錯誤してやってきた」と拍手を送る。積み重ねた年月は、誰に言われなくても防御を追求する姿勢をチームに根付かせた。

 こだわり続けた防御力を見せつけて決勝まで勝ち上がり、湯浅監督は「すばらしい成章のラグビーをしてくれて感謝している」と笑顔で話す。創部35年。準優勝をステップに、次は日本一を取りに行く。