きょうは「成人の日」。

 全国で約124万人が人生の節目の日を迎えた。京都府では2万7千人、滋賀県では1万5千人が大人の仲間入りをする。

 大人になったと実感するのはどんな時だろう。お酒が飲める年齢になったことだろうか。経済的に自立するまでは一人前とはいえないと考えている人もいるかもしれない。

 明治時代から続いてきた「大人」の定義が来春に変わる。成人年齢を20歳と規定する民法の改正で、来年4月からは18歳が法律上の大人になる。

 飲酒や喫煙、馬券購入は20歳の年齢制限が維持されるが、親の同意なしにローン契約などが結べるようになる。すでに選挙権年齢は16年施行の改正公選法で18歳に引き下げられ、国政や自治体の選挙で一票を投じた新成人も多いのではないか。

 大人になることは、責任を持った社会の構成員として認知されることである。よりよい未来をつくるためには、世の中をもっと知ることが重要だ。

 感じた疑問や不安はそのままにせず、ためらわず声をあげてほしい。社会には直さなければと気付いていても、後回しにされたり放置されたりしている課題が数多くある。

 まず、自分たちが置かれている状況を見つめてはどうだろうか。

 少子高齢化は急速に進んでいる。19年の高齢化率は28・4%で00年から11ポイントも高まった。一方、19年生まれの赤ちゃんは初めて90万人を下回った。

 今は現役世代2人で高齢者1人を支える計算だが、みなさんが社会の中核になっている20年後は1・5人で支える時代になるとみられている。重い負担がより増すことが予想される。

 一方、厚生労働省によると、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合(18年)は13・5%。子どもの7人に1人が貧困状態にある。進学やその後の就職に影響し、生きづらさに直面する若者は少なくなかろう。

 若い世代が夢を持てる世の中をつくるには、みなさんが積極的に働き掛けることが必要だ。

 昨年、米国で起きた黒人男性暴行死事件を機に、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」運動が世界に広がった。社会的な発言がタブー視されたスポーツの場で、女子テニスの大坂なおみ選手は反差別を訴え、その言動は大きな反響を呼んだ。

 既存の概念や考え方にとらわれない大胆な行動には賛否もあったが、「伝えたかったのはより疑問に思うということ。みんなが議論を始めてくれたらいい」との主張は肯定的に受け止められた。

 世界は今、新型コロナウイルス感染症に直面し、政治も経済も暮らしも大きく揺さぶられている。こうした、これまでの常識や経験だけで解決できない難題が今後、次々と出てこよう。

 多様な意見に耳を傾け、あらゆる世代の知恵を集めて答えを探さねばならない。みなさんのみずみずしい感性が社会を動かす核となることを期待したい。