花園教会水族館が設置している募金箱。運営する篠澤さんは「コロナ前は1日で募金箱が千円札でいっぱいになることもあった」と嘆く(京都市右京区太秦)

花園教会水族館が設置している募金箱。運営する篠澤さんは「コロナ前は1日で募金箱が千円札でいっぱいになることもあった」と嘆く(京都市右京区太秦)

淡水魚やは虫類などを展示している花園教会水族館。リクガメに触れることもできる

淡水魚やは虫類などを展示している花園教会水族館。リクガメに触れることもできる

 京都市右京区太秦にある入場無料の私設水族館「花園教会水族館」が、苦境に立たされている。運営費をカバーしていた来場者の寄付金が、新型コロナウイルスの影響で激減したためだ。運営する牧師は「開館始まって以来の危機」と話し、インターネットで寄付を呼び掛けている。

 同水族館は花園キリスト教会が、2014年に開設した。淡水魚やは虫類など計約190種類千匹以上を大小60個の水槽で飼育し、土日曜の午後に開館している。飼えなくなったペットも引き取っている。

 以前は市内の親子連れや、関東圏などからの来場者も多く、1日に最大70人が訪れた。平日に老人ホームの団体客も受け入れた。入り口にある運営費を募る募金箱には、1カ月で数万円が集まった。

 毎月の光熱費や餌代には計約6万~7万円が必要で、不足分は運営する牧師の篠澤俊一郎さん(40)が補填(ほてん)していた。篠澤さんは「団体の高齢者や府外の大人からの寄付が多かった。運営費の大半をまかなえていたので負担は軽かった」と話す。

 しかし、コロナ禍で事態が激変した。春先に休館した後、6月から再開。感染予防のため、クラウドファンディングで集めた資金を元に館内の換気設備を整備し、1時間に入場できる人数を6人に制限している。そのため団体客は途絶え、府外からの来場者もゼロになった。寄付金はほぼゼロになった。

 篠澤さんは、今春から始めた動画配信サービス「ニコニコ動画」での淡水魚などを紹介する動画のライブ配信や、同館のツイッターで寄付を呼び掛ける頻度を増やした。しかし、コロナ前ほどの寄付金は集まらず、厳しい運営が続いている。

 来場者の人数は減ったが、子どもの割合は増えているという。篠澤さんは「コロナで遊びに行く場所がなくなっているのかもしれない」と危ぶむ。「大人の事情でこの場所を閉じるわけにはいかない。運営を続ける方法を模索したい」と語る。

 寄付金は募金箱のほか、銀行振り込みや現金書留で受け付ける。餌などの物品寄付も対応する。問い合わせは同教会075(812)1177。