日吉ダム建設に関わる写真や資料を集めた会場(南丹市日吉町・市日吉町郷土資料館)

日吉ダム建設に関わる写真や資料を集めた会場(南丹市日吉町・市日吉町郷土資料館)

 京都府南丹市日吉町の市日吉町郷土資料館で、日吉ダムの建設によって失われた集落の歴史や建設までの歩みを伝える資料展「日吉ダムのあゆみ」が開かれている。同館の開館20周年記念で、かつての住民の暮らしぶりや建設に至るまでに重ねられた会議の議事録など貴重な資料が並ぶ。

 日吉ダムは、桂川流域の治水や京阪神への利水を目的に、1998年に完成した。ダム建設で中・天若区の154世帯が移住を余儀なくされた。

 移住する住民らの移転先での暮らしに関して「生活相談」と記された行政のファイルや、建設に反対する住民らが「安全性を専門的に明らかにされたい」などと当時の日吉町長に向けて書いた要求書、ダム完成後に発行されたテレホンカードなど、当時の様子を肌で感じ取れる資料が展示されている。

 約30年前に日吉ダムの建設に関わったという同市園部町の会社員岩峅貴志さん(52)は「ダム建設によって沈む集落の悲しい側面も知れた。現場作業に携わっていた当時はあまり考えていなかった」と思いを語った。

 3月21日まで。