現金対応の券売機が並ぶ府立植物園(京都市左京区)

現金対応の券売機が並ぶ府立植物園(京都市左京区)

 消費税増税や来年の東京五輪・パラリンピックを見据え、国が進める「キャッシュレス決済」。その普及に取り組む京都府の施設で、対応が進んでいない。美術館やホール、公園など府民から利用料を徴収する府の57施設のうち、キャッシュレス決済ができるのは指定管理者が運営する1施設にとどまっている。

 キャッシュレス決済は、クレジットカードや電子マネーなど、現金を使わない決済方法。日本の決済比率は19%(2016年)と諸外国に比べ低く、国が普及を促してきた。訪日外国人の増加や今回の消費税増税を背景に、タクシーや飲食店など民間では導入が進んでいる。
 府は1月、産官学でつくる国の「キャッシュレス推進協議会」に加盟。府内の企業や商店街での導入を支援するほか、3月に策定した23年度までの行財政改革プランでは、府税や施設使用料のキャッシュレス化を掲げている。
 しかし現在、府の施設で対応するのは、スチールの森京都(南丹市)のみ。端末機器費や決済手数料を運営団体や利用者でどう負担するかといった課題があり、観光客の利用も多い植物園(京都市左京区)や堂本印象美術館(北区)、丹後郷土資料館(宮津市)をはじめ56施設は未対応という。5月からは自動車税など14税目のキャッシュレス納税も始まったが、クレジットカードを使った仕組みの導入は都道府県で41番目と後発だった。
 今月1日には初めてキャッシュレス推進に向けた庁内連絡会議を開催したが、各施設の利用料の徴収形態や利用者ニーズなどの調査はこれから実施予定という。府会計課は「他府県の取り組み状況も共有しながら、なるべく早く対応していきたい」としている。
 滋賀県内では、琵琶湖博物館(草津市)、陶芸の森(甲賀市)、安土城考古博物館(近江八幡市)の県立3施設がいずれもキャッシュレス決済に対応していない。彦根城、彦根城博物館(ともに彦根市)は、JR各社のICカード乗車券のみ利用できるという。