吉田神社の追儺式。厄災を象徴する3匹の鬼が、矛と盾を手にした方相氏に追われる(2019年2月2日、京都市左京区)

吉田神社の追儺式。厄災を象徴する3匹の鬼が、矛と盾を手にした方相氏に追われる(2019年2月2日、京都市左京区)

壬生寺で、厄よけを祈って演じられた壬生狂言「節分」(2014年、京都市中京区)

壬生寺で、厄よけを祈って演じられた壬生狂言「節分」(2014年、京都市中京区)

 新型コロナウイルス特措法に伴う緊急事態宣言が京都府に再発令されたことに伴い、2月の節分行事にも影響が出始めている。連綿と続いてきた伝統行事の中止を、急きょ決めた社寺も多い。季節の変わり目に鬼を追い、福豆まきを楽しみ、招福を願うにぎやかな京の風物詩が一変しそうだ。

 今年は1897年以来124年ぶりに立春が2月3日となり、2日が節分となる。京都市左京区の吉田神社は、厄災を象徴する鬼が四つ目の仮面をかぶった「方相氏(ほうそうし)」に追われる「追儺(ついな)式」を節分前日の1日夜に計画していたが、発令を受けて中止を決めた。当初は儀式の時間を公表せず実施する予定だったが、緊急事態宣言が2月まで続くことで断念したという。2日夜に古いお札などを燃やす「火炉祭(かろさい)」も取りやめる。参拝者が古札を納める場所は今月下旬に設置する予定だが、室町時代発祥の神事は初めての中止となる。

 吉田神社の室川喜幸禰宜は「これほど多くの行事が中止となるのはさみしいが、平常の暮らしに戻るために自分たちにできることをやろうと決めた」と話す。神札の授与などは既に始まっていて、コロナ感染対策をしたうえで例年通り参拝してほしいという。

 同じく3色の鬼が境内を暴れ回ったあと法力によって追い払われる儀式「節分会追儺式鬼法楽(鬼おどり)」で知られる廬山寺(上京区)は、近日中に関係者と協議して2日の実施の可否を決定する。節分会の法要は実施するが、寺では「鬼おどりは檀信徒の方も近隣の方も楽しみにされている行事だが、人が集まることがどうしても避けられない」と悩む。

 中京区の壬生寺は伝統の壬生狂言「節分」の上演を中止する。参拝者の厄よけ招福を願う行事として昭和初期に始まり、戦争以外での理由による中止は今回が初めて。山伏による大護摩祈とう(2日)は例年通り実施するといい、松浦俊昭副住職は「お参りの方たちが毎年楽しんでくださる狂言が中止となって心苦しいが、春の大念仏会は何とか実施したいと願っている」と理解を求める。

 千本釈迦堂(上京区)、下鴨神社(左京区)、八坂神社(東山区)、六波羅蜜寺(同)などは年女や年男、舞妓らによる恒例の福豆まきの中止を決めている。