解熱剤を服用したが、高熱は続いた。本人や家族は毎日の市保健所からの電話に病状を訴え、入院を求めた。しかし「容体が急変したら電話して」と、緊急連絡用の電話番号を伝えられただけだった。

 陽性判明から3日後の9日朝。嘔吐(おうと)が続き、意識がもうろうとしている男性の様子に家族が気付いた。すぐに緊急連絡先の番号に電話したが4時間つながらず、その間にも男性の血中酸素濃度は酸素吸入が必要な数値まで低下。ようやくつながった電話では、救急車を呼ぶよう指示を受けた。

 救急搬送先の病院で、男性は肺炎を発症し、人工呼吸器が必要なほど悪化していたことが分かった。家族は医師に「最悪の事態も覚悟して」と告げられた。今は重篤な状態を脱したものの、入院は続いている。30代の娘は「高齢で基礎疾患があるのに、いくら病状を訴えても対応は変わらなかった。あとちょっと遅かったら危なかった」と、行政の対応に不信感を募らせている。