白線が薄れ、消えかかっている横断歩道(昨年11月27日、京都市左京区下鴨北園町)

白線が薄れ、消えかかっている横断歩道(昨年11月27日、京都市左京区下鴨北園町)

再び現場を訪れると、白線が真新しくなり補修されていた(昨年12月23日)

再び現場を訪れると、白線が真新しくなり補修されていた(昨年12月23日)

 「近所の横断歩道の一つに、白線が薄れて消えかかっているものがある。京都府警に要望したが、なかなか補修されない」。京都新聞の双方向型報道「読者に応える」に、読者から相談が寄せられた。確かに、府内で白線の薄れた横断歩道を見掛けることがある。維持管理はどのような手順や優先度で進むのか、取材した。

 昨年11月下旬、情報があった京都市左京区下鴨北園町の横断歩道を訪ねた。白線はほとんど消えており、遠目からは横断歩道があることに気付かないほどだ。「雨の日や夕暮れ時は、ますます見えにくいんです」と投稿者のパート女性(45)がこぼした。

 近くには洛北高や葵小があり、取材中も子どもたちがにぎやかに渡る姿が見られた。自身も小学生の子がいる女性は、通学路の安全を懸念して昨年1月に府警に補修を要望したが、長らく薄いままだという。「4月に新入生が入るまでに引き直されるといいのですが…」

 府警交通規制課によると、府内には約1万9500本の横断歩道がある。白線が薄れる原因は経年劣化だけでなく、交通量や道路の材質、地域の雨量などによって異なるという。

 市民の声がきっかけで横断歩道が補修されるケースは、個人や町内会による交番や警察署への要望のほか、府の公募型インフラ保全事業への申請などがある。その中から府警が利用頻度や交通事故の件数、通学路かどうかなどを調べて優先度を決め、工事を発注している。府警が必要と認めた場合、基本的には年度内に実施するという。

 府警交通規制課は「予算には限りがあるので心苦しいが、優先順位ができてしまう。今回の現場も決して忘れているわけではない」と説明する。

 京都府の交通設備の予算は年間約18億円。信号機や道路の整備も含まれ、府内では平均約1600本の横断歩道が1年間に補修されている。横断歩道や信号機などは昭和40年代以降に整備が進んでおり、老朽化しているものも多い。交通規制課は「設備の修繕だけでなく、新設してほしいと要望されることもある。それぞれの重要度に応じて対応していく」とする。

 昨年12月上旬、女性から再び連絡があった。洛北高前の横断歩道の白線が真新しくなったという。補修の順番が回ってきたようだ。女性は「子どもたちの安全のためには何よりです」と喜んでいた。