滋賀県の「自殺予防相談電話」で相談に応じる臨床心理士(滋賀県草津市)=県提供

滋賀県の「自殺予防相談電話」で相談に応じる臨床心理士(滋賀県草津市)=県提供

 滋賀県内の女性の自殺が昨夏以降増えている。昨年8~11月は計40人に上り、2019年同期の21人からほぼ倍増。全国的にも男性に比べて女性の顕著な増加が報告される中、県は、新型コロナウイルス禍による経済不安や家事・育児の負担増などが背景にあるとみて、対応を強化するとしている。

 厚生労働省のまとめ(暫定値)によると、県内在住女性の昨年の自殺数は8月に11人(19年4人)、9月10人(同6人)、10月9人(同5人)、11月10人(同6人)の計40人。一方、男性は8月10人(同12人)、9月13人(同20人)、10月12人(同10人)、11月14人(同7人)の計49人で、19年と同数だった。

 昨年1~7月をみると女性は月2~6人、男性は月6~16人で推移しており、8月以降、男性には増加傾向がみられないのに対し、女性は急増した。1~11月の合計は男性136人(同131人)、女性71人(同64人)。

 滋賀県障害福祉課は「理由は正確には不明」とした上で、コロナ禍が一因である可能性を指摘。女性の方が不安定な雇用や接客業、サービス業などに従事する割合が高く、より顕著に経済的打撃を受けた▽休校などで家事・育児の負担が高まった▽男性が自宅にいる時間が増え、DV被害が増加した―などが考えられるという。

 県は2008年のリーマン・ショック後に自殺者が増えたことを踏まえ、昨年の6月補正予算に対策費590万円を計上。7月から臨床心理士による対面相談「こころのほっと相談」をそれまでの月3回から月4回に拡充し、9月から自殺予防相談電話(毎日午前9時~午後9時)を2回線に増やすなどした。7~9月の対面相談は74件と、前年同期(42件)比で7割増加。電話相談は1086件で、同(978件)比で1割増えた。

 対面相談の担当者(42)は「コロナ禍で退職したとの相談は春以降数件だが、職場でパワハラを受けていてもコロナ禍による雇用情勢悪化で転職が難しいなど、関連する相談は多い。長期化で社会のストレスが一層高まると、さらに増える懸念もある」と話す。

 県内では18年度から19年度にかけても自殺者が増えており、県はより詳細にデータを分析し、対策を担う県内市町などに提供する方針。同課は「すぐ結果につながる対策は難しいが、少しでも有効な方法を模索したい」とする。

 滋賀県の自殺予防相談電話窓口は、077-566-4326(毎日午前9時~午後9時)