親子連れや会社員でにぎわう太秦弁当村西大路御池店(京都市中京区)

親子連れや会社員でにぎわう太秦弁当村西大路御池店(京都市中京区)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が京都府内にも発令され、再び市民生活に大きな影響を及ぼすことになった。昨年春の1回目の宣言を受け、苦境に立ち向かった人々や現場を改めて取材し、“その後”を追うことで、コロナ禍を乗り越えるヒントを探った。

 「テークアウト、ランチ営業、ウーバーイーツ(配食サービス)。できることはすべてやった」。居酒屋チェーン「あんじ」烏丸六角店(中京区)の店長(50)は10カ月間を振り返った。

 昨年4月の宣言直後、「おかずセット」などの持ち帰り販売を始めた。最初は目新しさもあって、売り上げは好調。ただ収入は全体の1割程度に過ぎなかったといい、「もともとお客の笑顔が見たいというモチベーション維持。採算は度外視だった」と話す。

 テークアウトを行う店が増えたこともあり、売り上げは減少していく。テークアウトだけでは限界があった。店内客も回復せず我慢が続く日々。転機は昨秋。政府の支援策「Go To イート」と「トラベル」で来店客が急増し、店ににぎわいが戻った。「忙しいという感覚は久しぶり。うれしかった」

 ほっと一息ついた12月中旬、突然、「トラベル」の中止が発表された。かき入れ時の忘年会シーズンに再び客足は遠のき、再発令で先行きは全く見えなくなった。系列店が3店あり、社員とアルバイト40人以上が働く。時短要請は受け入れるものの、府の協力金(1店舗1日6万円)では人件費や賃貸料は穴埋めできない。「振り回されているのは飲食店ばかりではない。魚や野菜など生産者からの仕入れも激減し、このままでは流通の仕組みが壊れてしまう」と危機感を募らせる。