「つらい時もあると思いますが 夢というゴール目指して 受験生がんばれ!!」
近江鉄道の貴生川駅(滋賀県甲賀市水口町)構内にあるメッセージボードが、話題を集めている。通学の学生から会社員、住民まで鉄道を利用する人々へエールを届けている。
書き込んだのは運転士の古川貴幸さん(39)だ。近江鉄道の活性化を考える市民らとのフォーラムで発案。利用者が元気をもらえるようにメッセージを考える。言葉は毎月2回新たに書き換える。
泊まり勤務明けの日などに、同僚とアイデアを出し合う。「新年」「受験」など季節に合わせたテーマを決め、約1時間かけてボードに丁寧に書き上げる。当初は誰にも気に留められなかったが、徐々に声が掛かるようになった。「夜勤明けの方から『いつも元気をもらっています』と言ってもらえた時はうれしかった」
運転士の業務だけでは分からないことにも気付けるようになった。話題を探すため、利用者により関心を持つようになった。地域を学ぶため、東近江市発祥のガリ版伝承館にも足を伸ばした。