最高気温38・5度の暑さでゆがんで見えた自転車の車輪(2020年8月20日、京都市中京区)

最高気温38・5度の暑さでゆがんで見えた自転車の車輪(2020年8月20日、京都市中京区)

京都市と彦根市の平均気温の推移

京都市と彦根市の平均気温の推移

 京都市と滋賀県彦根市の平均気温(1991~2020年の30年平均)が、50年前(同1941~70年)と比べて1度以上高くなったことがわかった。現在の京都市の平均気温は16・2度で、高度経済成長前の高知市並みに上昇した。政府は昨秋、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると表明したが、温暖化の進行に歯止めがかけられていない実態が浮き彫りになった。

 気象庁が公開する観測データを基に、京都新聞社が分析した。

 その結果、京都市は50年前の14・8度から1・4度上昇し、16・2度だった。これは「南国」とされる高知市の50年前の気温(16・2度)と同じくらいの暖かさになる。彦根市は13・9度から15度に上がり、50年前の兵庫県洲本市(15・1度)や三重県尾鷲市(15・2度)並みになった。

 両市とも、最高気温より最低気温の上昇幅が大きかった。京都市は、最高気温が0・6度、最低気温が1・8度それぞれ上昇。彦根市は、最高気温が0・6度、最低気温が1・4度それぞれ高くなった。季節別でみると、いずれも3月と10月の上昇幅が大きく、夏と冬は小さかった。

 また、同じ期間で年平均猛暑日数を比較すると、京都市は12・1日が19・4日に、彦根市は1・6日が4・6日にそれぞれ増えた。一方で、年平均冬日数を比べると、京都市は57日が18日に、彦根市は48・9日が24・3日にそれぞれ減少した。

 こうした影響は、動植物にも現れている。京都府などによると、府北部で栽培されているコシヒカリは温暖化で品質維持が困難になり、2015年以降は食味ランキングの最高評価「特A」を逃している。九州南部を生息地としていたナガサキアゲハが、2000年代から京滋でも見られるようになった。

 京都・彦根の両地方気象台は、温暖化が最も進行した場合、21世紀末に京都市は現在の種子島(鹿児島県)より暖かくなり、彦根市は鹿児島市をやや上回る気温になる可能性があるとしている。

 温暖化に詳しい龍谷大名誉教授の増田啓子さん(環境気候学)は「温暖化は不可逆的な状態になっている。経験則が通じない猛暑や豪雨への備えなど、私たちが生活を変えていかなくてはならない。温室効果ガス削減と生活の安全を両立するため、技術革新や環境教育が大切になる」と話している。