優しい表情のこま犬を奉納した森本さん(京都府亀岡市)

優しい表情のこま犬を奉納した森本さん(京都府亀岡市)

 京都府亀岡市東別院町の素盞嗚(すさのお)神社に、地元在住の陶芸家が制作したこま犬が奉納された。本殿に向かって右側に「阿形(あぎょう)の獅子」、左側に「吽(うん)形の犬」が置かれ、穏やかな表情で参拝者を迎えている。こま犬は、2度の盗難に遭い20年近く不在だったという。

 25年前に京都市から移り住んだ森本真二さん(55)。こま犬制作は初めてだったため、本で何百体ものこま犬を調べ、各地の神社にも出掛けた。ミニチュアで試作を重ね、形のイメージをつかんだ。

 最後まで苦労したのが顔。最初は威嚇の表情も考えたが、参拝者の気持ちがやわらぐよう、穏やかな目にした。釉薬(ゆうやく)は付けない焼き締めという技法を使い、火と灰でなす風合いを生かしたといい、「地元への恩返しができてうれしい」と話す。

 もとあった木彫りのこま犬も氏子が寄贈したが、1990年と2000年ごろ、盗まれたという。総代長の稲原隆さん(69)は「本殿にあるべきものがなく、さみしい思いをしてきた。守り神が来てくれてありがたい」としている。