出土した元禄二朱判金(左)と元禄豆板銀=舞鶴市提供

出土した元禄二朱判金(左)と元禄豆板銀=舞鶴市提供

平安時代の整地跡や基壇跡が確認された松尾寺の仁王門下の発掘調査現場(舞鶴市松尾)

平安時代の整地跡や基壇跡が確認された松尾寺の仁王門下の発掘調査現場(舞鶴市松尾)

 京都府舞鶴市松尾の古刹(こさつ)・松尾寺の仁王門解体修理に伴う初の発掘調査で、同市は20日、平安時代の整地跡や建物の基壇跡が確認されたと発表した。江戸時代に地鎮のために埋められた金銀貨や、仁王門の建て替え前の痕跡も発見された。市は「古代にさかのぼる遺構が初めて確認でき、寺の変遷の一端が分かったことは重要」としている。

 同寺は西国三十三所の二十九番札所で708年に開山したとされる。調査は仁王門の地下約60平方メートルで昨年12月から行われた。

 調査では、出土した土器の年代から平安時代初期(9世紀ごろ)の通路とみられる整地された地面を発掘。現在の仁王門の南端に、平安時代後期の石列や礎石の抜き取り跡のある建物の基壇跡(東西9・5メートル)も見つかり、江戸時代前期まで山門が建てられ、崖崩れなどの要因で場所が移った可能性があるという。

 さらに旧仁王門の基壇も確認され、中心軸付近の地中から地鎮のための元禄二朱判金と元禄豆板銀、寛永通宝が土師皿とともに見つかった。金銀貨が出土するのは市内では初めてで、鋳造年代から旧門は1700年前後に建立と推定される。旧門は現在の仁王門の3メートル南にずらして建っていたが、江戸時代中期の67年に現在の位置に再建された。

 さらに中世から江戸時代にかけての参道跡とみられる遺構は整地が繰り返されており、市文化振興課の松﨑健太主査(31)は「西国三十三所巡礼の盛り上がりや歴代藩主らによる帰依を反映している。古来、地域や人々の信仰を集めていた寺であることが分かる」と語り、松尾象空住職(61)は「寺の伝承を裏付ける意味でこれ以上の史料はないと驚いている」と喜んだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大のため、現地説明会は行わないが市のホームページで調査結果を掲載している。