伐採跡が目立つウツクシマツ自生地。来年度から計画を基に美観回復を目指す(滋賀県湖南市平松)

伐採跡が目立つウツクシマツ自生地。来年度から計画を基に美観回復を目指す(滋賀県湖南市平松)

 滋賀県湖南市は、国の天然記念物ウツクシマツ自生地の保全活用計画案をまとめた。播種(はしゅ)や移植も実施して増殖を図ることを盛り込んでおり、10年後に自生地が昔の姿を取り戻す礎を作ることを目指す。

 ウツクシマツは湖南市平松に全国で唯一自生する。40年前には250本あったが、病害などにより2019年3月末現在で86本までに減少した。計画は自生地の10年後の美観回復を見据え、来年度からの保全方針と5年間のスケジュールなどを定めた。

 基本方針では、来年度以降、種子からの育成と若木移植の試験を実施しながら景観回復を目指すことを定めた。市によると、放射状に枝が生えるウツクシマツは劣性遺伝するため、植えても通常のマツになることが多いという。試験では自然増殖と播種、移植を区域分けして育成し、種子の採取方法、移植の間隔・方法、環境条件を比べてより生育しやすい状況を探る。播種や移植のマニュアル整備も行う。

 また、病虫害対策や遺伝子調査の実施、将来的な観光活用も見据えた施設整備なども盛り込んだ。保全活用を効率的に行うため、行政や地域住民、関係団体による協議会を立ち上げることも示した。

 計画案は市ホームページに掲載し、市役所などで閲覧できる。市は2月5日まで市民意見(パブリックコメント)を求めている。問い合わせは市商工観光労政課0748(71)2331。