タブレット端末で入所者の症状などを確認する医師ら(11日、京都市南区・ホテルヴィスキオ京都)※画像の一部を加工しています

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が逼迫(ひっぱく)する中、無症状や軽症の感染者を受け入れる宿泊療養施設の果たす役割が高まっている。京都府では3カ所のホテルで826室を確保し、これまでに約1300人が療養した。医師や看護師が24時間体制で入所者の体調を管理し、府職員が身の回りの世話を担っている。医療現場とは別の新型コロナの最前線を見た。

 「具合はいかがですか。息苦しさやせき、たんはありますか」「昨日から熱があって息切れもあるとのことなので、急にしんどくなったら連絡ください」

 11日午後2時ごろ、昨年5月から宿泊療養施設となっている京都市南区のホテルヴィスキオ京都。医師がタブレット端末で画面越しに入所者の表情を見ながら、現在の症状や体調、服用する薬について確認していた。会話の途中、たんが絡んだようなせきも聞こえた。
 同ホテルは270室あり、11日には106室が埋まっていた。各部屋にはタブレット端末が配備され、無料通信アプリで医師らとやりとりする。朝夕の2回は、看護師が詳しい体調を聞き取る。原則として65歳未満の基礎疾患がない感染者を受け入れているが、急変の可能性もあり得る。看護師の女性は「患者の様子を直接確認できないので、呼吸の状態などから悪化していないかを注意している」と話す。

 このホテルでは専門企業から派遣された看護師が日中は5~7人、夜間は2人いて、24時間体制で常駐する。府職員は保健師1人を含む6人が滞在し、健康福祉部の約170人が持ち回りで担当する。

「レッドゾーン」に入るドアの貼り紙。ここより先に入るには防護服を着る必要がある(11日、京都市南区・ホテルヴィスキオ京都)

 「ここより先はレッドゾーン」「出たら必ず鍵を閉めてください」。ホテル1階のドアに、注意を促す貼り紙があった。

「レッドゾーン」から戻り、表面に触らないように注意深く防護服を脱ぐ府職員(11日、京都市南区・ホテルヴィスキオ京都)

 ドアの内側は看護師や職員が待機したり、事務作業したりする「グリーンゾーン」で、感染者が生活する「レッドゾーン」とは明確に分けられている。レッドゾーンから戻るときには防護服などを脱ぐ中間区域「イエローゾーン」経由する。グリーンゾーンに置かれたホワイトボードには部屋の使用状況や空き部屋数、入退所者の情報が書かれ、府職員が確認していた。

部屋の稼働状況や使用可能な部屋などの情報が書かれたホワイトボード(11日、京都市南区・ホテルヴィスキオ京都)