政府が京都府に新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言を再発令して、1週間がたった。

 府内ではきのう、123人の感染が新たに確認された。1日当たりの新規感染者は16日連続で100人を超え、医療現場に重い負荷がかかっている。

 西脇隆俊知事は19日、新型コロナ用として確保している病床720床のうち、すぐに使用できるのは半数以下の330床にとどまることを明らかにした。これまで3割台とされていた病床使用率が、実際は8割を超えていたことになる。

 感染者の急増で患者対応の力点が隔離から治療に移り、看護師らのマンパワー不足が深刻になっているためという。だが、受け入れが可能な病床の急減はコロナ対策医療の根幹を揺るがしかねない。

 府は、実態と大きくかけ離れた数値に基づいてきた医療態勢を再構築し、対応に全力を挙げなければならない。

 府はこれまで、コロナ病床は33医療機関に計720床あると説明してきた。緊急事態宣言が再発令されてからも、720床をベースに病床使用率を算出していた。

 だが、年末年始の感染急拡大で酸素吸入が必要な中等症や介護を伴う高齢患者が増え、医療従事者の負担は増している。10人の患者に対応していた看護師1人が、4人しかケアできない病院もあったという。

 府は今月に入ってようやく実態把握を始めた。医療現場との間で十分に意思疎通できていたのか、疑問と言わざるを得ない。

 西脇知事は、病床数をすぐ増やすのは困難として、症状が改善した入院患者を積極的に宿泊施設へ移すことなどで330床を効率的に使う考えを示した。だが、府内でも入院を待っている間に重症化して、亡くなる患者が出るなど状況は深刻化している。

 コロナ病床の使用率が7割超の大阪府は、新型コロナ特措法に基づいて府私立病院協会などに病床の確保を要請している。京都府も民間病院も含めて幅広く協力を得る努力を尽くすべきだ。

 府民の協力も欠かせない。

 緊急事態宣言の再発令後初めての週末となった16、17日の京都市内の人出は、昨春の宣言時に比べ最大5割も増えている。府は感染拡大や医療逼迫(ひっぱく)の深刻さを隠すことなく発信し、具体的な対策を訴えることが重要だ。

 医療の崩壊を食い止めるため、いま一度危機感を共有して行動する必要がある。