京丹後市の海辺で開かれた新郎新婦2人だけの挙式(京丹後市久美浜町)

京丹後市の海辺で開かれた新郎新婦2人だけの挙式(京丹後市久美浜町)

パーティションなど感染症対策を徹底する婚礼会場パビリオンコート(京都市東山区)

パーティションなど感染症対策を徹底する婚礼会場パビリオンコート(京都市東山区)

 ワタベウェディングの「オンラインウェディングパーティ」のイメージ。沖縄のリゾ婚会場に友人らがオンラインで参加できる

ワタベウェディングの「オンラインウェディングパーティ」のイメージ。沖縄のリゾ婚会場に友人らがオンラインで参加できる

 人生の節目を飾る晴れの日のセレモニーが多様化している。新型コロナウイルス感染症の流行が長期化し、接触や集まりを避ける行動が浸透したためだ。2人だけの旅先結婚式やオンライン披露宴、家族成人式など、感染防止に配慮した新しいプランも続々と登場。コロナは門出を祝う場も大きく変えつつある。

 ビーチでの指輪交換、グランピング施設でのパーティー…。結婚式プロデュース会社HaL(京都市下京区)が提案するコロナ対応の婚礼プランは、風通しの良い野外や少人数で実施する。コロナの影響で多くの人を集めた挙式を断念したカップルのため、昨秋に京丹後市で挙行したのを機にプランとして扱い始めた。

 「延期や中止にすべきだろうか」。昨春以降、同社には多人数を招いた挙式の開催を逡巡(しゅんじゅん)する相談が多く届く。ためらうカップルに提案するのが「2人だけの特別な1日」の演出だ。思い出の地での写真撮影や手紙の朗読など、新生活のスタートを記念するセレモニーを目指す。田村誠祥社長は「コロナ禍で結婚式は多様性の時代になった」と変化を確信する。

 リクルートブライダル総研(東京)の調査では、昨春の緊急事態宣言発令中は結婚式の実施率が1割程度に急減。多くは今春以降に先延ばししたといい、開きたい意欲は変わらないとみる。一方、結婚関連サイト運営会社エニマリ(同)が今年1月に行った調査では、同宣言の再発令で挙式の再延期や開催形式を変更するカップルが3割に上った。

 挙式の激減に直面する婚礼施設も対策に腐心する。大正期の洋館などを改装したパビリオンコート(京都市東山区)は、食事中の飛まつ対策でアクリル製のうちわを配布し、会食なしのプランも用意した。祝杯を挙げ、歓談や余興で盛り上がる従来型の披露宴は難しく、山中達郎社長(56)は「結婚式の意義を見つめ直す人も多い」と話す。

 自宅などからインターネットで参加するオンライン挙式も人気だ。滋賀県守山市のマナーハウス写風館は昨年6月から、現地とオンライン出席を混ぜた「ハイブリッド挙式」に対応。コロナで帰国できなくなった海外駐在の新婦の父親が画面越しでスピーチするケースもあった。

 「リゾート婚」のライブ配信サービス付き披露宴の販売を始めたのは、婚礼大手ワタベウェディング(京都市上京区)。沖縄のビーチに面した絶好のロケーションの会場に、オンラインで参加した友人らの顔がスクリーンで映し出される。同社は「1年たってもコロナの収束が見通せず、感染対策を講じた上で式を挙げようと考える人が増え始めている」と分析する。

 成人式も新様式のセレモニーが注目を集める。同級生と集うのではなく、身内だけで祝う「家族成人式」で、コロナ禍の中でも開催しやすいためだ。和装の撮影サービスを手掛ける京都プロデュース(下京区)が企画し、晴れ着での家族写真撮影とともに、両親宛ての手紙朗読などを演出する。井口久勝社長は「3密が回避でき、意味のある式になる。京都から全国に広げたい」と話す。