日曜日にもかかわらず人通りが少なく、シャッターを閉める店も目立つ清水坂(1月17日午後、京都市東山区)

日曜日にもかかわらず人通りが少なく、シャッターを閉める店も目立つ清水坂(1月17日午後、京都市東山区)

 京都観光がかつてない窮地に追い込まれている。猛烈な新型コロナウイルスの感染「第3波」で国の観光喚起策「Go To トラベル」が全国一斉に停止されたのに加え、京都府などに緊急事態宣言が再発令され、京都市内の観光地は客足が激減。近年、収益をもたらしてきたインバウンド(訪日外国人)需要が蒸発して1年近く。事業環境は悪化の一途にあり、事業者は危機感を募らせている。

 緊急事態宣言の再発令から1週間たった1月21日午後、清水寺(東山区)周辺は観光客の姿がほとんどなかった。閑散とした一帯は商店の6、7割がシャッターを閉め、「当面の間休業します」との掲示も目立った。

 「1回目の宣言発令時よりも、先が見えないのがつらい」と清水坂で土産店を営む男性(62)は漏らす。正月三が日は人通りは多かったが、4日以降は急減。売り上げも連日ゼロが続く。

 宣言による外出自粛の影響で売り上げが半減した旅館や土産店などに対し、政府は最大40万円の一時金を支給する方針だ。だが、事業者の反応は一様に厳しい。嵐山商店街(右京区)の土産店店主(51)は「どうしても飲食店の支援の方が手厚いとうらやましく思ってしまう。不要な分断を生み出す政策だ」と憤る。

 実際、大勢を集客する店や施設にとって、一時金は焼け石に水だ。宣言後に臨時休業に入った老舗旅館「松井本館」(中京区)は、100人以上いる従業員のほとんどを休ませている。若おかみの女性(34)は「一時金は1日の売り上げにも満たない」と漏らす。

 昨年秋はGoTo効果で宿泊客で満室の日もあったものの、予約が集中する週末と低調な平日の繁閑の差が際立った。若おかみの女性は「再開するにしても需要が分散するよう仕組みを変えてほしい」と訴える。

 感染の長期化は、業界が望みをつなぐ春以降の需要も奪い去ろうとしている。「旅館こうろ」(同)は、4月に受け入れる予定だった修学旅行のキャンセル連絡を受けた。社長の男性(42)は「昨春からずっと延期や中止続き。団体行動が前提の修学旅行の文化自体がコロナで消えてしまいかねない」と憂慮する。

 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「京都は関西の中で訪日外国人の比重が大きかったため影響は深刻だ。宣言の再発令が事業者の存続意欲をそぎ、廃業が増えやすい状況を招いている」と指摘。今後の支援について「感染拡大期には事業や雇用を守るためにセーフティーネットの拡充が不可欠。資金面の手厚い支援が必要だ」としている。