今季から京都サンガFCを率いる曺貴裁監督。「選手がここでプレーして良かったと思えるチームをつくる」と語る(東城陽グラウンド)=サンガ提供

今季から京都サンガFCを率いる曺貴裁監督。「選手がここでプレーして良かったと思えるチームをつくる」と語る(東城陽グラウンド)=サンガ提供

 悲願のJ1復帰へ、新シーズンのスタートを切った京都サンガFC。束ねるのは、湘南を3度のJ1昇格に導いた京都市左京区出身の曺貴裁(チョウキジェ)(52)=洛北高-早大出。情熱あふれる新指揮官は、サンガにどんな化学反応をもたらすか。故郷のクラブを率いる思いや、パワハラ問題を経て変化した指導観、目指すチームづくり、サンガとの不思議な縁…。キャンプ前に思いの丈を語ってもらった。

■クリアミスで決勝点献上、悔しい思い出

 -久々の京都での生活となる。帰郷した実感や、子どもの頃の思い出は。

 「三千院の近くで育ったが、京都の街中のことはあまり分かっていない。高校の周辺や太陽が丘、宝が池の辺りしか知らない。通り名を言われてもピンとこないし、どっちが北なのかという感じ。今は単身で寂しく過ごしているが、こういうタイミングで戻って来られてうれしい」

 「サッカーを始めたのは、養徳小から大原小に転校した小学4年の時。野球をやろうかと思ったけど、大原小にはサッカーチームしかなかった。当時の先生が洛北高OBで、僕も文武両道で頑張りたいと高校に進学した。2年の全国選手権京都大会は決勝で京都商(現京都学園)に負けた。1-1で延長に入り、僕のヘディングのクリアミスで決勝点を決められた。3年はベスト16止まり。紫野と対戦し、僕がPKを外した。悔しすぎて試合後2時間ぐらいグラウンドに座っていた記憶がある」

■生まれた街で仕事がしたいと思っていた

 -就任の経緯は。

 「ずっと、生まれ育った街で仕事をしたいという思いを持っていた。(2015年にも)サンガの監督の打診をいただいたが、湘南を長く率い、強くする責任感があった。次に監督をする時は、純粋に自分の気持ちが乗り、その街とクラブを盛り上げられるところに行きたかった。伊藤(雅章)社長と(強化育成本部長の)加藤久さんにも、そういう土壌をつくってほしいと熱心に言ってもらった」

 「京都は世界的に有名な都市だし、神社仏閣もあって黙っていても人が集まる。いろんな誇れるものを持っているし、スポーツで日常が動く街ではないかもしれない。だからこそ、サッカーを見て『面白いやん』『感動したわ』と感じてもらえるポテンシャルがある。面白い試合をして、京都の地で確固たるフットボールを築きたいという思いで引き受けた」