全体練習の始動日に身ぶり手ぶりで指導する曺監督(20日、東城陽グラウンド)

全体練習の始動日に身ぶり手ぶりで指導する曺監督(20日、東城陽グラウンド)

■パワハラ問題「100%間違っていた」

 -湘南を率いていた2019年秋にパワハラが発覚して退任した。自身の指導をどう見つめ直したか。

 「ハラスメントが起きたということが僕の実力。100パーセント間違っていた。(当事者に)申し訳ない気持ちでいる。直接気持ちを表現できないのはもどかしい」

 「何を学び、どう進んでいくか考えることを放棄すると、そこから時間が動かないと思った。弁護士による研修や、大学サッカーに携わり、コーチングの仕方やスポーツの在り方、指導者の役割を恥ずかしながらあらためて学べた。選手の心にしみる、周囲に無理強いをしない指導が必要だと思っている。2度と(ハラスメントを)起こさないのは当たり前。選手を良くしたい、チームを強くしたいという情熱を持ちつつ、次の自分になりたい」

■現場を離れて感じたこと

 -現場を離れてみて感じたことは。

 「2020年の初め、ドイツとオランダ、ベルギーに行った。まだ新型コロナウイルスが広がる前で、リーグ戦を20試合ほど見た。サポーターの熱気と試合がどうリンクしているのか、どんなプレーが求められ、喜ばれるのかをフラットに見られた。選手の表情や躍動感に一番心を動かされるし、そういう瞬間が多い試合は面白い。サッカーを構築していくヒントをもらった」

■選手のチャレンジ精神引き出したい

 -その後、研修の一環で流通経大のコーチに就いた。指導法に変化は。

 「最初は(ハラスメントの)問題を起こした後だから選手が心を閉ざして距離をとるんじゃないかと不安だった。正直、その不安はサンガに来た今もある。でも、大学生たちはオープンに接してくれてうれしかったし、何とかしたいと思って1年間指導した」

 「こちらから指示するのは簡単だけど、選手が気づいて動けるようにならないとチームは強くなれない。『~しなければならない』『~すべき』と言い切るのではなく、『こういう可能性もあったんじゃない?』と投げかけるコーチングが大事だと感じている。サンガでも、押しつけるのではなく、選手のトライする姿勢を一番大切にしたい。ミスを怖がっていたら成長はないし、未来もない。トライした上でのミスは絶対にとがめない。選手のチャレンジ精神を引き出したい」