降雪時などに滑る恐れがあるとして、南丹市が陶板に置いたコーン。奥に見える城風の建物は市国際交流会館(同市園部町・そのべお城通り)

降雪時などに滑る恐れがあるとして、南丹市が陶板に置いたコーン。奥に見える城風の建物は市国際交流会館(同市園部町・そのべお城通り)

 無粋か、それとも安全第一か。「日本最後の城」である園部城がかつて存在し、旧城下町の風情を残す京都府南丹市園部町の中心部を走る「そのべお城通り」の歩道に20個超のコーン標識が出現した。降雪時などに滑りやすい部分があるとの声を踏まえ、通行人に注意を促すのが目的という。市は「景観よりも安全が重要」とするが、近くの住民からは「見た目が悪い。早く撤去してほしい」と不評だ。

 1月中旬から赤白のコーンが置かれたのは、歩道に埋められた14の陶板部分。直径約2・7メートルでオリオン座などの星座が描かれており、旧園部町が2002年に整備した。

 降雪時や低温時に転ぶ恐れがあるとする市内部からの指摘を受けて決めた。コーンには「すべりやすい 注意」と記した。

 ただ、陶板が滑るといった住民からのクレームや、けがの情報は市には寄せられていない。市道路河川課は「安全が重要。けがなどがないようにする予防的な措置だ」とする。

 市は園部藩立藩400年を迎えた19年にそのべお城通りと名付け、木製の灯籠を設けた。当時、西村良平市長は「歴史的な景観づくりを進めたい」と述べていた。

 町家が一部に残る一帯では、大量のコーンに対する反応は芳しくない。通り沿いに事務所を置く建築士で、まちづくりに詳しい樋口浩之さん(47)は「見た目がめちゃくちゃ悪い。雪がない時は撤去してほしい。今後、陶板の摩擦力を高める対策をするべきだ」と訴える。事前の説明はなかったという。園部の歴史や文化を生かした観光促進に取り組む団体の会長を務める松村賢治さん(71)も「景観や美観に関する意識が薄い面があるのではないか」と首をかしげる。

 市は、降雪などが予想される3月半ば頃までは置く考えで、来冬も同様の措置を行うかは未定という。陶板に樹脂を塗って滑りにくくするといった対策を検討する可能性もあるとしている。