【資料写真】大津地検(大津市)

【資料写真】大津地検(大津市)

 東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で服役後、今年3月に再審開始が決定した元看護助手西山美香さん(39)の再審公判で、検察側が有罪立証を事実上、断念したとみられることが22日、弁護団への取材で分かった。検察側が同日までに、新たな証拠による立証を行わず、弁護団の主張に積極的に反論しないなどと弁護団に書面で伝えた。再審公判で西山さんの無罪が確定的になった。

 弁護団によると、書面では、確定判決で有罪の証拠になった「故意にチューブを外した」などとする西山さんの自白調書について、再審公判で証拠として引き継ぐかは裁判所に一任する、とした。弁護団の証拠請求にも可能な限り同意する意向を示し、本年度内の再審公判開始や即日結審を希望しているという。
 再審公判に向けて、弁護団は証拠のうち、「捜査官らの誘導への迎合があった」として自白調書の排除と、再審開始の決め手になった「患者は致死性不整脈で自然死した疑いがある」とした医師の意見書の採用を求めてきた。弁護側によると、検察側の通知によれば、再審では弁護団の意向がおおむね認められるとみられ、事件は自白以外の証拠が乏しいため、有罪の根拠がなくなる、という。
 再審公判を巡っては、大津地裁、大津地検、弁護団による今年4月の三者協議で、検察側が改めて有罪立証する方針を明らかにした。だが、9月の同協議で一転し、新たな証拠や主張による再立証を行わない方針を示していた。
 弁護団は23日、検察側の通知の詳細について記者会見する。
 事件は、東近江市の湖東記念病院で03年5月22日、入院中の72歳の男性が死亡。県警は04年7月、人工呼吸器を外して殺害したと自白したとして西山さんを殺人容疑で逮捕した。西山さんは公判で無罪を主張したが、一審で懲役12年の判決が出て、07年6月に最高裁で確定し、服役した。