ゆるカワに夢中

中村芳中〈白梅小禽図屏風〉 細見美術館蔵
【左】中村芳中『光琳画譜』より「仔犬」 享和2年(1802)刊 個人蔵
【右】中村芳中〈六歌仙図〉 新古美術わたなべ蔵

 おおらかな作風で「かわいらしい」とも評される作品を残した琳派の絵師中村芳中(ほうちゅう)。代表作を集めた「琳派展21 没後200年 中村芳中」が26日、京都市左京区の細見美術館で始まる。
 芳中は京都で生まれたとされ、大坂を中心に活躍した。1819年に亡くなったが、生年を始め不明な点が多い。文人たちと交流を深め、宴席で杯や指など絵筆以外で描く指頭画(しとうが)の名手として知られたほか、俳諧にも親しんだ。作品から漂う軽みもそうした経歴と無関係ではないだろう。
 一方で絵の具や墨をにじませる「たらし込み」の技法を駆使し、琳派風の作風を完成させていった。江戸滞在中の1802年に、自ら描いた尾形光琳風の作品を集めた版本「光琳画譜」を刊行し評判となった。
 金地屏風に描かれた「白梅小禽(しょうきん)図屏風」は、たらし込みで木や枝を伸びやかに描いた。簡略化して描かれた白梅は光琳の意匠を思わせる。枝に止まった鳥の口が開いたままなのは、どこかユーモラスだ。
 「光琳画譜」所収の「仔(こ)犬」は安らかな表情で寝そべったり、おじぎしたりする子犬を太く柔らかなタッチでかわいらしく描いた。
 ほかにも、力みのない筆運びが独特の味わいを醸し出している草花図や俳画、指頭画など同時代の作家の作品も加え約110点が展示される。
 同館の福井麻純主任学芸員は「たらし込みを使った微妙な色の変化やデフォルメを見て欲しい」と話している。

【左】中村芳中〈扇面画帖〉より「立葵」 細見美術館蔵
【右】中村芳中〈花卉図画帖〉より「十月 白菊」 細見美術館蔵

【会  期】 10月26日(土)~12月22日(日) 月曜休館(11月4日は開館、翌日休館)
【開館時間】 午前10時~午後6時 入館は30分前まで
【会  場】 細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町)
【主  催】 細見美術館 京都新聞
【入 館 料】  一般1400円(1300円)、中高生・大学生1100円(1000円) 小学生以下は無料
 ※かっこ内は20人以上の団体
【関連イベント】
 「ゆるい? かわいい? 芳中画の魅力」(担当の主任学芸員によるレクチャー)
 12月7日午後2時から京都市勧業館みやこめっせ大会議室(左京区岡崎成勝寺町)
 申し込み先着100人まで 会費500円、友の会会員は300円
【問い合わせ】 細見美術館075(752)5555