笑顔で会見に臨む西山さん(23日午前10時5分、大津市梅林1丁目)

笑顔で会見に臨む西山さん(23日午前10時5分、大津市梅林1丁目)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で服役後、3月に再審開始が確定した元看護助手西山美香さん(39)の再審公判で、検察側が有罪立証を事実上断念する意向を弁護団に伝えたことを受け、23日に弁護団が会見した。井戸謙一弁護団長が「検察は事実上の白旗。無罪はほぼ確実な情勢になった」と説明し、西山さんは「両親を安心させてあげられる」と喜びを語った。

 弁護団によると、検察側は18日、新証拠による有罪立証や証人尋問を行わないなどとする書面を弁護団に提出した。検察側は07年の確定審で有罪の根拠となった自白調書について「証拠排除されても異議を申し立てない」とする方針を示しており、再審では、「患者は自然死の疑いがある」とした弁護団の主張も認められる可能性が高く、無罪が確定的になったという。
 弁護団は、再審公判を1回で結審させることや、西山さんへの被告人質問を希望するなどとした意見書を、大津地裁と大津地検に提出したことを明らかにした。
 会見で、西山さんは「井戸弁護士から聞いたときは、うれしいというよりびっくりした」と話し、検察の有罪立証方針転換について「今まで特別抗告とかをしてきたのは何だったのか。(捜査側に)聞きたいこともあるので、1回で終わるのは心残りもある」と打ち明けた。
 事件は、東近江市の湖東記念病院で03年5月22日、入院中の72歳の男性が死亡。県警は04年7月、人工呼吸器を外して殺害したと自白したとして、西山さんを殺人容疑で逮捕。西山さんは無罪を主張したが、懲役12年の判決が確定し、服役した。