大津市企業局は24日、公共施設等運営権(コンセッション)方式によるガス事業の民営化に向け、大阪ガスを代表とする3社の企業グループを優先交渉権者に選んだと発表した。家庭用料金の1~3%値下げを盛り込んだ提案をした。市が施設を保有したまま小売り事業の運営を民間に委ねる同方式の導入は、公営ガスでは全国初。2019年4月の事業開始を目指す。

 市は今年4月、料金の現状維持などを要件とする募集要項を公表し、大ガスと関西電力の2社が提案書を提出していた。学識者らでつくる審査委員会が事業計画や業務態勢を審査した。市が公表した評価点は、新会社の株式購入額で差が大きく、小売り額は小さかった。だが、関電の詳細な提案内容は明かさなかった。

 大ガスの提案書によると、家庭用料金の値下げのほか、ガスと電気のセット販売といった多様な料金メニュー、ガス関連商品の提供など民間ならではのサービスを用意する。日常の保安業務や定期点検も担う。

 11月中旬に市企業局が出資額1億円で新会社を設立し、大ガスなどが株式の75%を90億円で買い取り、残り25%を市が保有する。市議会11月通常会議に関連議案を提出、12月の正式契約締結を目指す。新会社は40人規模で、市職員も派遣する。事業期間は20年間。

 市は現在、市内6割に当たる約9万7千世帯にガスを供給する。低料金で健全経営を維持しているが、昨年4月のガス小売り全面自由化で民間との競争が激化。公営企業は料金改定に議会の議決が要るなど柔軟性に乏しく、競争力が低いとして民営化を決めた。一方、他自治体に例のないコンセッション方式への懐疑論もくすぶる。

 会見した越直美市長は「将来にわたって安定的にガスを供給し、安い料金で多様なメニューを提供するため、コンセッション方式にした。市も出資者として、しっかりとガバナンスを利かす」と述べた。