肺がんで亡くなった宇佐恒浩前校長の遺影が置かれた献花台に向かって、手を合わせる児童(草津市・玉川小)

肺がんで亡くなった宇佐恒浩前校長の遺影が置かれた献花台に向かって、手を合わせる児童(草津市・玉川小)

 滋賀県草津市の玉川小は、在職中の昨年2月1日に59歳で亡くなった前校長の宇佐恒浩さんの命日を「玉川小・いのちについて考える日」と定め、1日に元がん患者の特別授業を行い、校内に献花台を設けた。肺がんと闘病しながら「精いっぱい生きる」と児童に寄り添い、学校に通い続けた宇佐さん。同小は「亡き先生が身をもって伝えた思いをいつまでも受け継いでいきたい」と誓う。

 宇佐さんは2018年4月に校長に着任後、がん告知を受けた。手術もできないほど病状は進行していたが、休暇療養を選ばず教育に身をささげた。毎朝、登校児童を迎え入れるため校門近くに立ち続けた。

 いのちについて考える日の制定は一周忌を控え、宇佐さんの志を引き継ごうと教職員が提案したという。前教頭の小野澤祐子校長(56)は「子どもが大好きで真面目なやさしい人柄だった。学校に行くことが、がんと闘い、生きる証だったのでは」と振り返る。

 校長室前の献花台には遺影と花が飾られ、児童たちが手を合わせている。備え付けのノートに「私たちを見守って」「中学でも勉強や部活動を頑張る」などの書き込みも見られた。

 6年の児童(12)は昨年1月の始業式で酸素ボンベをつけた宇佐前校長の最後のあいさつが印象に残っているという。「苦しいのに『途中であきらめず、何事にもチャレンジして』などとやさしく語り掛けてくれた。くじけそうなことがあれば先生の言葉を胸にがんばる」と気持ちを新たにした。