オンラインで城陽高の生徒たちに語りかける安昌林(京都府城陽市)

オンラインで城陽高の生徒たちに語りかける安昌林(京都府城陽市)

 柔道男子73キロ級の韓国代表として東京五輪を狙う在日3世の安昌林(アンチャンリン)(京都市南区出身)が3日、城陽高(京都府城陽市)の1年生にオンラインで講演した。自身の生い立ちに触れ、「五輪で金メダルを取ることで、在日外国人に対する誤った認識が少しでも変わり、立場や歴史を知ってもらえればありがたい」と呼び掛けた。

 安は京都朝鮮第1初級学校(京都市南区)から柔道部のある八条中(南区)に進学。小学生の大会で正しく名前を呼んでもらえないこともあったという。「在日韓国人の意識はあったが、なんで僕だけ日本人じゃないんだろうと思った」と当時の記憶を語った。

 強豪の桐蔭学園高に入学したが、初出場した全国高校総体は初戦敗退。「僕が世界チャンピオンや五輪に出られる選手になるとは誰も思っていなかった」と振り返り、「高校で成績を残せず、部活で目立てないからといって気にすることはない。真面目に練習していれば結果は出る」とエールを送った。

 韓国の大学に編入後も在日に対する偏見に悩まされたことや、リオデジャネイロ五輪での敗戦、日韓の文化の違いも紹介し、「セカンドキャリアは海外でコーチをしたい。在日選手のマネジメント会社も作りたい」と引退後の展望を語った。

 聴講した男子生徒は「在日韓国人としての誇りを感じた」、女子生徒は「他人と違うことを経験しながら、負けずに活動している姿が素晴らしくて尊敬する」と話した。