2018年の台風21号で倒壊した滋賀県近江八幡市加茂町の蓮光寺の鐘楼が再建され、昨年末から約2年ぶりに鐘の音が地域に響くようになった。住職の中西弘彰さん(56)は「新型コロナウイルス禍の今、地域の人が鐘の音色で安らぎを感じてくれたら」と話す。
蓮光寺によると鐘楼は2018年9月4日、台風21号の強風にあおられ倒壊した。鐘は石垣に打ち付けられ、傷は残ったものの無事だったが、毎日2回の鐘突きができなくなった。
2019年1月、檀家(だんか)37軒が鐘楼の再建を決め、地域住民らから寄付もあり、2020年5月に着工した。第2室戸台風(1961年)でも鐘楼が倒壊しており、コンクリートの土台から4本の柱をアンカーボルトで止めるなど強風対策を取った。
2020年12月から午前11時と午後5時の2回、鐘が響き渡るようになった。昨年の大晦日(おおみそか)は久しぶりの除夜の鐘に、地域住民が「懐かしい」と喜んだ。中西さんは「これからもみんなが平穏に暮らせるよう願いを込めて鐘をつき続けたい」と話す。