京都王藝際美術館を設立する王清一さん(左)。JARFOの石田淨理事長と手を携えて、自身が収集した日本と朝鮮半島のアート作品を発信する(=京都市中京区

京都王藝際美術館を設立する王清一さん(左)。JARFOの石田淨理事長と手を携えて、自身が収集した日本と朝鮮半島のアート作品を発信する(=京都市中京区

 韓国や北朝鮮、在日コリアンの作家を中心とした芸術作品を紹介する「京都王藝際(げいさい)美術館」が近く、京都市中京区にオープンすることになった。在日2世の会社社長王清一さん(77)=同区=が私財を投じて設立し、上京区のNPO法人「京都藝際交流協会(JARFO)」が運営を担う。王さんは「芸術を介して国際交流の場を」と意気込む。

 王さんは若い頃から朝鮮半島と日本の文化に関心を抱き、数十年来、高麗青磁や、韓国と北朝鮮、日本の作家の作品を収集。私費で韓国・東国大に「日本学研究所」を設立した。2012年に上京区で設立した「京都画廊」をJARFOと共同運営し、韓流ブームとその後の嫌韓ムードの拡散など社会情勢が移り変わる中でも、草の根の立場から朝鮮半島と在日の文化を発信してきた。韓国民団京都府地方本部の団長や、京都国際学園(東山区)の理事長を務めた顔も持つ。

 京都画廊で展示会を開いた韓国や在日コリアンの作家の作品も多数購入し、これまでに収集した絵画や陶芸、書、工芸品は千点を超える。経営する建築不動産会社の社屋で今は保管するが、市民に公開できる場をつくろうと、中京区西大路通太子道下ルで建設中のマンションの1、2階延べ約330平方メートルに収蔵庫を備えたギャラリーを開設することにした。

 3月に韓国の慶南道立美術館と友好姉妹提携を結び、12月中の開館を目指す。JARFOのスタッフが館で所蔵する作品の整理やリストの作成を急いでおり、オープン後は企画運営を担う。常設展示で王さんのコレクションを無料公開し、年数回、慶南道立美術館の企画展を催す方向で準備を進めている。

 既にJARFOのホームページで所蔵作品と作家の紹介を始めた。王さんは「南北朝鮮と、日本と朝鮮半島の友好に貢献したい」と力を込める。JARFOの石田淨理事長(76)は「誰でも気軽に立ち寄れるアートスペースから、芸術に国境はないという理念を発信していきたい」と話す。