京都市のふるさと納税の寄付額と流出額

京都市のふるさと納税の寄付額と流出額

京都市が返礼品に取り入れて人気を集めたおせち料理(市提供)

京都市が返礼品に取り入れて人気を集めたおせち料理(市提供)

 京都市への本年度のふるさと納税額が、既に前年度の7倍近い16億円余りに達し、過去最高を大幅に更新している。市が返礼品競争に加わらないとの方針を転換し、品目を大幅に増やしたことが要因。一方で他都市への流出額も過去最大の約40億円に上り、市は差額を埋めるため「さらに返礼品を充実させたい」としている。

 ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄付すると住民税などの控除を受けられる制度。市によると、2019年度の受け入れ額は2億5500万円だったが、本年度は昨年12月末時点で約6・5倍の16億6600万円に増え、推計で年間18億円に達する見込みという。15~18年度は1億1千万円~1億8千万円で推移しており、大きく様相が変わった。

 各市町村はふるさと納税額を増やそうと、寄付額に応じた返礼品を充実させてきた。こうした中、京都市は「納税する自治体を返礼品で選ぶのは制度の趣旨に沿わない」として競争と距離を置き、18年度までの返礼品は文化施設の入場券や京町家の体験プランなど8品目のみだった。

 しかし、流出額が年々膨らむことに危機感が高まり、19年度に方針を転換して返礼品を京野菜や京都肉など169品目に拡大。本年度はさらに620品目にまで増やした。特に人気を集めたのは老舗料亭などのおせち料理で、総額の36%(6億円)を占めており、市は「コロナ禍の巣ごもり需要もあって人気を集めた」とみる。次いで旅行・宿泊クーポンが29%(4億7千万円)だった。

 情報発信も以前より強化し、四つのふるさと納税ポータルサイトに京都市の返礼品や広告を掲載した。この影響で関東・甲信越地方からの寄付が多い傾向にあるという。

 一方、流出額は深刻な状況が続いている。15年度は1億6千万円だったが、他都市が返礼品を充実させている影響を受け、18年度に30億2千万円、19年度に39億1千万円となり、本年度は既に40億6千万円にまで至っている。流出額は国からの地方交付税で一定補塡(ほてん)されるものの、市議会から再三、流出額の多さを指摘されている。

 寄付の受け入れ額と流出額のギャップを埋めようと、市はさらなる返礼品の充実を目指す。放送作家小山薫堂さんに協力を依頼し、京友禅柄のどんぶり鉢など4品を新たに制作中だ。市行財政局は「京都のブランド力を生かした返礼品を生み出し、さらに寄付額を増やしたい」としている。