井伊直孝が徳川家康から拝領したと伝わる名品「大名物 宮王肩衝茶入」=彦根城博物館提供

井伊直孝が徳川家康から拝領したと伝わる名品「大名物 宮王肩衝茶入」=彦根城博物館提供

 彦根藩主井伊家の当主らが収集した茶道具のテーマ展「井伊家の茶の湯」が25日、滋賀県彦根市の彦根城博物館で始まる。戦功の褒賞として徳川将軍家から拝領した茶入など幅広い名品30点を紹介する。

 江戸期、茶の湯は多くの武家に親しまれ、同館が所蔵する井伊家伝来の茶道具は900点を超える。将軍家との間に茶道具の拝領と献上がしばしば行われていたことを示す記録が残っており、茶道具が主従の関係をつなぐ贈答品として重要な意味があったと考えられている。
 井伊家2代直孝(1590~1659年)が大坂の陣で活躍した褒美として徳川家康から拝領したと伝わる「大名物 宮王肩衝(かたつき)茶入」は抹茶を入れる容器で高さ約10センチ。肩の張った堂々とした形に強い存在感があり、釉薬(うわぐすり)の色は変化に富む。史書によると、直孝はこの茶入を出す際にはかまを着用し、手を清めて臨んだという。
 茶葉の保管に用いた「呂宋(るそん)壺」は高さ約30センチで、貿易経由地のルソン島産と考えられる。収納箱に、宇治の茶師による茶名や内容量を記した紙が貼られており、新茶を井伊家に収める際に使われたと推測される。
 同日から、江戸後期の代表的な大名茶人として知られる13代直弼の茶道具に焦点を当てた特集展も始まる。自身の茶の湯の集大成として執筆した「茶湯一会集」は、冒頭に「茶会は一期一会」と記され、出会いの本質を示す言葉として世に知られるきっかけを作った書となっている。
 いずれの展示も11月24日まで。要入館料。同館0749(22)6100。