【資料写真】京都市営地下鉄

【資料写真】京都市営地下鉄

 京都市交通局は10日、市営地下鉄、市バス両事業の2021年度当初予算案を発表した。新型コロナウイルスの影響でともに運賃収入が大幅に減少すると予想し、50億円超の赤字予算となった。地下鉄事業は経営改善についての計画策定が義務付けられる経営健全化団体となるのが避けられない見通し。

 運賃収入は、地下鉄が前年度当初予算比82億円(28%)減の208億円、市バスが同60億円(26%)減の164億円を見込む。一方、市バスの観光系統の縮小に伴う車両修繕費の縮減や毎週金曜に地下鉄の終電を延長する「コトキン・ライナー」の休止などで支出は地下鉄で3%、市バスで5%の削減を予定する。

 しかし、収入減による損失を穴埋めできず、経常損失は地下鉄で58億円、市バスで56億円を見込む。赤字予算の編成は地下鉄が4年ぶり、市バスが3年連続となる。

 コロナ禍で生じた資金不足について、総務省は特別の地方債(特別減収対策企業債)を発行して補填(ほてん)が可能としているが、地下鉄は運転資金の不足が305億円(19年度末時点)と膨大で、特別減収対策企業債を発行しても賄いきれない。

 事業規模に対する資金不足の度合いを示した「資金不足比率」は20年度末に81%となる見通しで、経営健全化団体となるかどうかの判断基準である20%を大幅に上回るのは必至。

 翌年度に20%を下回ることが予想される場合には免れる例外規定もあるが、21年度予算も58%と大幅な改善は予想できず、市交通局は「経営健全化団体となる可能性は極めて高い」としている。

 京都市営地下鉄は2008年度決算で全国の地下鉄事業で初めて経営健全化団体となり、17年度に脱却した。再び同団体となれば3年ぶり2度目となる。