京都府が2021年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比14・8%増の1兆350億円で、初めて1兆円を超えた。

 18年4月に就任し、1期目の仕上げとなる新年度に臨む西脇隆俊知事は「コロナ危機克服・新しい京都実現予算」と説明した。

 新型コロナウイルス対策費は総額2041億円で、予算全体の5分の1を占める。医療体制の整備とコロナの影響で苦しむ府民や事業者の支援に、まずは最優先で取り組んでほしい。

 コロナ用病床の確保には358億円を計上した。府は当初は720床あるとしていたが、今年に入って、すぐに使用できるのは実質330床と修正した。看護師らのマンパワーの不足が原因という。病院の協力をさらに得て、医療提供体制を拡充する努力が欠かせない。

 早ければ3月下旬から府民へのワクチン接種が始まるのに合わせて、副反応などの電話相談窓口を設ける。接種状況に地域差が生じないよう、実務を担う市町村へのきめ細かい支援も必要だ。

 PCR検査体制の確保や社会福祉施設の感染防止対策にも予算配分した。コロナの早期収束に向けて全力を挙げてもらいたい。

 政府が1月に再発令した緊急事態宣言は、1カ月の延長に入った。資金繰りが悪化した中小企業や個人事業主に実質無利子・無担保で融資する制度へ大幅に上積みする。今後の事業展開に不安を抱える事業者に寄り添い、しっかりと支えなければならない。

 コロナ以外の施策も重要だ。知事が就任当初から重点施策に掲げてきた「子育て環境日本一」では、産後うつを防ぐ支援事業や不妊治療助成、子育てにやさしいまちづくりに約15億円を充てる。地域や職場での育児の課題を掘り起こし、解決につなげるための会議も新たに設ける。

 19年の府の合計特殊出生率は全都道府県中で44位にとどまった。コロナ下で妊娠を避ける人が多いとみられ、少子化の傾向はさらに強まりそうだ。こうした政策の実効性を高め、子育て世代が希望を持てるよう努めてほしい。

 歳入面では、企業業績の悪化で大幅な府税収入減が見込まれている。借金に当たる府債残高は21年度末に2兆4250億円となる見通しで、20年度末から675億円増える。コロナの収束後を見据えて、持続可能な財政構造の確立と経済再生のための戦略を示さなければならない。