表の数字の単位は百万円。▲は減

表の数字の単位は百万円。▲は減

 日本電産は23日、2020年3月期の連結業績予想(国際会計基準)について、純利益を4月発表の1350億円から1千億円(前期比9・5%減)に下方修正した。受注が急拡大する電気自動車(EV)向け駆動モーターの開発費が大きく膨らむため。将来の成長の柱に据える車載事業への集中投資を優先し、期初に計画した利益のV字回復は先送りする。 

 日本電産は中国経済の減速が響き、19年3月期の純利益は6年ぶりの減益だった。今回の修正により、2年連続の最終減益となる見通し。
 20年3月期は海外の需要回復が鈍い一方、EVの駆動を担う基幹部品「トラクションモーター」の引き合いが中国や欧州で急増。試作品の設計、開発や生産コストが発生し、下期に約300億円を追加投資する。
 また、冷蔵庫用コンプレッサー(圧縮機)世界最大手エンブラコ(ブラジル)の買収に絡み、市場寡占の懸念から欧州連合(EU)欧州委員会が出した条件に従い、17年に買収した同業の独子会社を売却。約200億円の損失を19年4~6月期に計上したことも利益を押し下げる。
 本業のもうけを示す営業利益と税引前利益の予想はいずれも当初から250億円引き下げたが、対前期比では増益の見通し。売上高はオムロンの車載事業買収で下期に約500億円の上積みを織り込んだが、通期予想は据え置いた。期末配当予想は5円増の1株60円(前期末は55円)に見直した。
 同日発表の19年9月中間決算は、売上高7512億円(前年同期比0・6%減)、税引前利益637億円(33・4%減)純利益275億円(64・9%減)だった。精密小型モーターがパソコンやゲーム機向けで落ち込み、円高の進行も響いた。中間時点の減益は6年ぶりとなる。
 大阪市内で記者会見した佐藤明副社長は「中国の自動車や家電市場は底を打ちつつあるが、楽観視していない。トラクションモーターなど『新芽』の製品を伸ばす」と述べた。