10年前の大惨事を強く思い起こさせる衝撃だった。

 13日夜、福島、宮城両県で最大震度6強を観測する地震があった。強い揺れは東北や関東の広い範囲に及び、計150人以上の負傷者が出た。

 崖崩れや交通網の寸断、住宅の損壊や停電、断水なども相次ぎ、避難所に多くの住民が身を寄せた。

 現地では震度3、4の揺れが続いており、今後も震度6強程度の余震や、緩んだ地盤への降雨による土砂災害などに警戒が必要だ。

 政府と自治体は、迅速な被害復旧と被災者の生活再建の支援に総力を挙げてほしい。

 気象庁によると、震源地は福島県沖で、2011年3月の東日本大震災の余震とみられるという。

 今回は震源が深く、大きな津波は起きなかったが、東北の太平洋沖で活発な地震活動が続いていることを改めて思い知らされたといえよう。

 大震災時と状況が異なるのは、新型コロナウイルス禍で住民避難などにも感染対策が求められていることだ。

 各避難所では消毒や検温を徹底し、世帯ごとに間仕切りされたテントや発熱者用の別室を用意した自治体もあった。感染を恐れて倒壊危険のある自宅にとどまったり、狭い車内生活で体調を崩したりしないよう、安心して過ごせる避難所運営が欠かせない。

 一方、大震災後に復旧と補強を進めてきた生活インフラには、またも大きな被害が出た。

 東北新幹線は、架線を支える電柱や高架橋の損傷から一部区間で運転を見合わせ、全線運行再開まで10日前後かかるとみられている。JR東日本は大震災後、東北・上越両新幹線で約5千本の電柱補強計画を順次進めているが、今回の被害分を含め6割近くが未施工という。

 地震に伴い火力発電15基以上が停止し、東京、東北両電力の管内で最大90万戸超が一時停電した。一時断水も最大約3万6千戸に上った。災害に強いインフラ整備の現況と応急・復旧対策を再点検する必要があろう。

 今回の地震では、東電福島第1原発で使用済み核燃料プールなどから水の一部があふれた。東電は外部への影響はないとしている。

 だが、大震災や水素爆発で損壊した1~3号機建屋内にはまだ多くの燃料が残されている。より強い揺れに襲われるリスクを直視し、早期の取り出しに力を尽くすべきだ。