Zoomを使って雁部さん(スクリーン右)らと交流する生徒たち=舞鶴市上安久・日星高

Zoomを使って雁部さん(スクリーン右)らと交流する生徒たち=舞鶴市上安久・日星高

 東日本大震災から3月で10年を迎えるのを前に、京都府舞鶴市の日星高で16日、「忘れない3・11の集い」があった。宮城県で津波被害にあった大学生が映像やビデオ会議アプリ「Zoom」を通じて被災体験を語り、津波被害の恐ろしさや災害に備える大切さを伝えた。

 宮城県東松島市で小学5年生の時に被災した東北学院大2年の雁部那由多さん(21)のメッセージ動画を、1、2年生が各教室で視聴。雁部さんは川をさかのぼって津波が小学校に押し寄せた状況に触れ、「突然水の壁がやってきて、避難してきた大人が黒い水の中に引きずりこまれていった。車のがれきにのまれて人が亡くなるのを目の当たりにした」と振り返った。

 雁部さんは語り部の活動を始め、大学で災害社会学を研究している。「当時、津波についてもっと知っておくべきだった。自身の命を守るには住んでいる地域を知ることが必要。家族や友だちがそろわない明日が来るかもしれないと思い、一日一日を大切に生きてほしい」と呼び掛けた。

 Zoomを通じた交流もあり、雁部さんは13日夜に東北地方を襲った震度6強の地震に触れ、「あらためて災害と災害の間を生きていることを実感した。宮城県石巻市の実家は今回の地震のほうが被害が大きく、地震対策が不十分だったことが分かった」と話した。2年の生徒(16)は「津波の被害状況に驚いた。災害への準備をしていきたいと思った」と気を引き締めていた。