「土倉の森」で枝を広げるトチノキの巨木(2019年10月、滋賀県長浜市木之本町金居原)

「土倉の森」で枝を広げるトチノキの巨木(2019年10月、滋賀県長浜市木之本町金居原)

 滋賀県内有数の規模を誇るトチノキ巨木群を守るため、県は長浜市木之本町金居原地区の通称「土倉の森」を保全する。3年後を目標に県内初の自然環境保全地域に指定する。幹回り3メートル以上の巨木が162本確認されており、2021年度当初予算案に調査費などを計上した。


 土倉の森はトチノキを中心にサワグルミやブナなどの巨木がある。19年度には推定樹齢350~400年、幹回り6・4メートルのトチノキも見つかった。巨木の確認数では県内最大とされる長浜市余呉地区(241本)、高島市朽木地区(154本)に匹敵する。


 自然環境保全地域は国や都道府県が指定する。指定されると、野生動植物保護地区では、樹木の伐採が原則禁止される。小屋を建てたり、林道を造成するのも許可制で、規制される。


 県は土倉の森840ヘクタールの自然環境を調査しており、今後、住民らの意向も確認しながら規制内容を検討、審議会への諮問などを経て23年度の指定を目指す。指定に先駆けて、土倉の森で県民に貴重さを知ってもらうエコツーリズムも始めている。


 土倉の森を巡っては、14年、木材業者が巨木群の一部の伐採を計画していることが判明し、市民団体などが県に保全を要望。立木の所有権を巡る訴訟を経て、伐採が回避された経緯がある。


 金居原地区には、1950年代に人口千人規模の町があったという「土倉鉱山」(65年閉山)の銅山跡があり、アニメ映画「天空の城ラピュタ」の舞台を連想させるとして、県内外から関心が高まっている。県は巨木群とともに、これらの地域資源を掘り起こし、エコツアーのノウハウを蓄積する。県自然環境保全課は「金居原には素晴らしい自然が残っており、保全だけでなく、エコツアーなどを通じて市民に知ってもらうことにつなげていきたい」としている。