Zoomの画面越しに、文字盤を介しながら生徒の質問に回答する塚本さん

Zoomの画面越しに、文字盤を介しながら生徒の質問に回答する塚本さん

塚本さんの話を通して「生きる意味」を考えた瀬戸南高の生徒たち(岡山市)

塚本さんの話を通して「生きる意味」を考えた瀬戸南高の生徒たち(岡山市)

 脳内出血の後遺症で全身に障害が残る元京都新聞記者塚本宏さん(56)が講師を務めるオンライン授業が24日、岡山市の瀬戸南高で行われた。塚本さんは文字盤を使うなどして質問に答え、生徒たちは「生きる意味」や「障害とは」といった重い問いと向き合った。

 2017年8月に倒れた塚本さんは、体が動かなくなり、言葉を発することもできなくなった。障害者として生きる日常や苦悩、パラリンピックを取材するという夢を、iPadを操作して現役の記者のサポートを受けながら執筆。昨年3~4月に「2本の指で、生きる。IKIRU」として京都新聞に掲載した。

 この連載記事を題材にした授業を、塚本さんと10年来の親交がある岡山理科大の札埜(ふだの)和男准教授が瀬戸南高の宮田拓教諭に提案。1年生の152人全員が「現代社会」の授業で受講することになった。

 授業はビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、長岡京市の塚本さん宅とオンラインでつないで行った。この日は午前9時前からの授業で福祉や保育を専攻する38人が受講した。

 連載を読んだ上で生徒が事前に送っておいた質問に、塚本さんがパワーポイント(発表資料作成ソフト)で回答した。「塚本さんにとって幸せとは」の問いに「絶望したし死にたいとも思った。家族と友人が与えてくれた命。何か役割があるはず。自分の幸せはないことくらい分かっている。迷惑かけている妻と子供が幸せならば幸せだと」と答えた。

 授業中に出た質問には、妻知子さん(52)が文字盤を介して塚本さんの回答を読み取り、生徒に伝えた。塚本さんの授業は25日も行われる。