職人に張り渡された黄色く鮮やかな「寒の糸」(2021年2月24日、滋賀県長浜市木之本町・「丸三ハシモト」)

職人に張り渡された黄色く鮮やかな「寒の糸」(2021年2月24日、滋賀県長浜市木之本町・「丸三ハシモト」)

 伝統的な生糸の生産地である滋賀県長浜市木之本町で和楽器糸の製造が進んでいる。湖北の冷気の中、工房に幾十にも張られた黄色い糸を職人たちがのりを拭き取るなどして丹念に仕上げている。

 「丸三ハシモト」は地元産の生糸などを使い、三味線や琴の糸を約400種類作っている。製造は年中行うが、12~3月にできたものを「寒の糸」といい、澄んだ音がすると愛好する演奏家も多いという。

 工房では、ウコンで染めた糸を職人が15メートル離れた2本の柱に掛けて1~3日間乾燥させる。演奏をさまたげないよう糸に残った節を削り、餅から作ったのりをひくなどの工程を経て完成する。

 新型コロナウイルスの影響で注文が減ったというが、橋本英宗社長(46)は「伝統文化を絶やさぬよう技術などを維持していきたい」と話す。