手首に隙間ができないように防護服の上をテープで留める

手首に隙間ができないように防護服の上をテープで留める

感染が疑われる容疑者を護送するための伏見署の車両。座席やハンドルなどをシートで覆う

感染が疑われる容疑者を護送するための伏見署の車両。座席やハンドルなどをシートで覆う

ガウンやフェースシールドなどの防護具を付け、業務に向かう看守たち(17日午前、京都市伏見区・京都府警伏見留置センター)

ガウンやフェースシールドなどの防護具を付け、業務に向かう看守たち(17日午前、京都市伏見区・京都府警伏見留置センター)

 京都府警が逮捕した容疑者が新型コロナウイルスに感染する事例が発生し、警察の留置施設では緊迫した業務が続いている。堅牢(けんろう)な扉で仕切られ、複数人が身を寄せる密閉空間。クラスター(感染者集団)発生の危険と隣り合わせで、高度な防護策が欠かせない。24時間にわたり容疑者と向き合う看守らの姿を追った。

 「大扉(おおとびら)、解錠!」「よーし」。京都府警伏見留置センター(京都市伏見区)の2階。容疑者の居室エリアに通じる扉の前で、医療用ガウンやフェースシールド、ゴーグルなどで全身を包んだ看守3人が整列していた。アルコール消毒液を入念にゴム手袋になじませ、緊迫した様子でエリア内に立ち入った。

 センターでは昨年4月以降、発熱など体調不良を訴える容疑者を府内全域から受け入れている。もともとは通常の留置専用施設だが、各警察署の留置場での感染拡大を防ぐため、陽性の有無にかかわらず感染不安が拭えない容疑者の受け入れに特化。これまでに男女約80人を収容した。1年余りに及ぶコロナ禍の中で府警では今年1月、中京署と東山署の留置場で容疑者2人の感染が判明。1人は釈放して自宅療養に切り替え、もう1人はセンターが収容した。

 居室エリアを担当する看守は24時間態勢で容疑者の食事や入浴、運動、身体検査などに立ち会う。容疑者の症状は倦怠(けんたい)感や味覚・嗅覚の異常などさまざまだ。野上元(げん)所長(54)は「感染リスクの高い人を処遇するのがわれわれの役目。陽性者が出ても、クラスターになる事態は避けなければならない」と強調する。

■鉄格子にシート

 センターでは徹底したウイルス対策を取っている。居室エリアは容疑者の症状などに応じて、鉄扉で三つの区画に分ける「ゾーニング」を実施。感染疑いのレベルが最も高い人は出入り口付近に収容し、移動範囲を減らすよう工夫している。各部屋の鉄格子はシートで覆い、原則「1人1室」と取り決めている。