首相官邸

首相官邸

 京都など6府県の緊急事態宣言解除が決定した26日、官邸は関西3府県を先行解除した昨年5月に続き、またも首相による記者会見を開かず、「ぶら下がり」と呼ばれる記者団への短い囲み取材で済ませた。京都新聞社も加盟する内閣記者会は同日中に首相会見を開くよう申し入れたが、官邸側は「必要なタイミング」で会見を開くとした。

 昨年5月の緊急事態宣言解除時は21日に関西3府県の解除を決め、同25日に首都圏を含む全面解除に踏み切った際に当時の安倍晋三首相が記者会見を開いた。

 菅義偉首相は26日夜、記者団のぶら下がりに応じ「(昨年)関西圏を解除した時はぶらさがりで対応した」と強調した。

 加藤勝信官房長官は26日午後の会見で、宣言解除決定時に2度とも首相のぶら下がり対応となった関西3府県への扱いを問われ「関西が最後に残れば関西が解除された段階で会見する。関西を軽く(扱う)とか、そういうものでは全くない」と主張した。

 しかし実際には、官邸は25日夕まで首相会見を26日に開く方向で調整していた。方針転換を受け、内閣記者会は26日朝、官邸報道室長宛てに宣言解除の理由や見通し、新型コロナウイルスのワクチン接種計画など問うべき質問が多いとして、開催を文書で申し入れたが受け入れられなかった。

 首相会見は内閣広報官が司会を務めるのが通例。同記者会加盟のベテラン記者のほか一部のフリーランス記者も参加する。ぶら下がりは主に記者会加盟の若手記者が質問する。26日は18分間で終了した。

 首相会見の主催者について問われた加藤氏は「会見の時期や出席者、全体の時間などは政府が主体的に対応している。内閣記者会のご協力をいただきながら政府が実態的には主催している」と見解を述べた。

 専修大の山田健太教授(言論法)の話 

 記者会見は行政側の「サービス」ではなく、市民の知る権利に応じる公的機関の説明責任で、ある種の法的な「義務」だ。物理的な理由で開催できない場合を除き、市民を代表する立場の報道機関の求めがあれば、原則として応じる必要がある。今回、政府側の「開きたくない」理由が述べられているにすぎず、こんな恣意的な理由での会見の拒否は許されない。また、記者会見については、実際の開催の諾否を含めた進行は、あくまでも報道機関側に主導権があり、便宜的に政府(行政)側と協力して運営しているものだ。昨今の運営実態をみると、行政側が主導していて、あたかも全面的に主催権を持つかのような振る舞いが散見され、本来の会見のありようを歪めている。改めて双方でその運営方法を確認し「正常」なかたちでの運営を期待したい。