コロナ禍であらゆる職場が影響を受けているが、研究者の職場も大わらわのようである。「三密」を避けるために、人が集まって議論する学会や研究会が軒並みに中止になり、一部はインターネット上での「リモート開催」へと移行した。いずれにせよ日々の行動パターンの激変に戸惑う1年であったといえる。

 英仏独などで職業として自然科学の研究が興ったのは19世紀後半であるが、その一つのメルクマール(指標)は数十人が参加する定期的な研究成果の発表会が開催されることであった。日本に明治維新で導入された「科学」はこの制度化された学界であったから、専門家の集まる学会の開催は重要なイベントであった。