伐採されたウツクシマツを調べる関係者ら(滋賀県湖南市平松)

伐採されたウツクシマツを調べる関係者ら(滋賀県湖南市平松)

放射上に伸びた樹形が美しい樹齢推定300年のウツクシマツ。自生地では象徴的な木だった(2009年11月)

放射上に伸びた樹形が美しい樹齢推定300年のウツクシマツ。自生地では象徴的な木だった(2009年11月)

 滋賀県湖南市はこのほど、国の天然記念物ウツクシマツ自生地(同市平松)で、象徴だった樹齢推定300年のマツを伐採した。病害虫で枯死していた。他にもう1本を伐採したため現存は84本になった。市は危機感を強めており、今月から美観回復に向けた取り組みを始める。

 伐採されたマツは樹高13メートル、幹回り2メートル。一帯では最大の巨木で、放射上に枝が伸びるウツクシマツの中でも優雅な形でPR画像などで使われていた。一方、昨年ごろから立ち枯れ状態となっていた。

 伐採は午前10時半ごろから始まった。地域住民や市職員が見守る中、作業員がチェーンソーで切断し裁断して撤去した。伐採木を調べた二井一禎京都大名誉教授によると、病害虫による枯死で、2018年度の薬剤注入が間に合わなかった可能性があるという。

 地元の三雲学区まちづくり協議会の千代傅吉会長(74)は「急に被害が進行した感じだった。生物として認識が足りなかったのではないか」と話した。

 ウツクシマツは傘状樹形するアカマツの変種で、全国でもこの自生地にのみ群生するが、病害などで減少し40年前の3分の1になった。市は近く地元住民らが育てた苗木の補植を開始する。