大規模修理を行う杉本家住宅の大屋根(京都市下京区)

大規模修理を行う杉本家住宅の大屋根(京都市下京区)

 京町家の典型的な形式を受け継ぐ重要文化財「杉本家住宅」(京都市下京区)が、明治時代の再建から約150年ぶりに大屋根葺(ふ)き替えなどの大規模修理に取り組む。クラウドファンディング(CF)の寄付金を事業費の一部に充て、伝統的な町家継承に生かす。

 杉本家住宅は間口30メートル、奥行き50メートルの敷地を占める大規模な旧商家。通りに面した店舗と裏手の住宅を玄関で結ぶ「表屋造り」を特徴にしている。

 屋根葺き替えは明治3(1870)年の再建以来初めて。主屋では耐震補強工事を行いつつ、屋根瓦1万5千枚の全てを外し、既存品を生かしながら破損部を補って手直しする。敷地西側の高塀は土壁の一部がはがれているため、部材を生かして修復する。

 修理は11月から2年間を予定。総工費2億円のうち、国庫補助を除いた4千万円を同住宅を運営管理する保存会が寄付を含めてまかなう。寄付者名は芳名録に記帳し、永年保存する。

 京都新聞社などが運営する「THE KYOTO Crowdfunding」によるCFも5月末まで行う。新瓦への支援者の名前記載などのリターンがある。

 保存会の杉本節子常務理事は「京町家の暮らしや文化を含めた伝統を守り継ぐため、CFによる寄付の試みにも挑戦する。修理後は公開日数を増やすだけでなく、京町家をさらに知ってもらう新たな手法も考えたい」と話している。2日からは春の特別公開を催し、江戸時代や明治期のひな人形を飾る。有料。