表現の自由を守るため、ジャンルを超えて集まった美術家たち。新型コロナでさらに危機感が募っているという(京都市中京区・ギャラリーヒルゲート)

表現の自由を守るため、ジャンルを超えて集まった美術家たち。新型コロナでさらに危機感が募っているという(京都市中京区・ギャラリーヒルゲート)

 表現の自由や平和を訴える展示「いま、戦争の兆しに心いたむ美術家たちの作品展」が、京都市中京区寺町三条上ルのギャラリーヒルゲートで行われている。特定秘密保護法への抗議から始まった展示だが、新型コロナウイルスの感染拡大で発表の場が制限されさらに危機感が強まっているといい、絵画や造形、工芸などジャンルを超えて賛同した115人の作品が並ぶ。

 特定秘密保護法が強行採決された2013年12月から、洋画家小西熙さん(83)=京都市北区=ら芸術家たちが、毎月9日夕方に、抗議の意志を込めて自作を掲げて四条河原町に立ち続けている。同展は、この「無言の路上展」をきっかけに15年から始め、京都を起点に沖縄や舞鶴を含めて7回実施してきた。

 新型コロナの影響で、昨年は多くの芸術家が個展や展覧会ができず、表現の機会が大きく失われたという。出展者の一人、画家田中直子さん(59)=京都市左京区=は「美術は『不要不急』なのかと、自らの根幹を何度も問うた」と明かす。コロナ対応が最優先され、物を言いにくい空気に抵抗する意志を込めて今回の展示を開催した。

 会場には、原爆で焦げながら生き残ったユーカリを描いた絵画や、自由の女神の背景にピースサインを合成した写真、和紙をマスクのような形に折り、「シェルター」と名付けた造形物など、メッセージ性が込められた作品が並ぶ。

 正午~午後7時(最終日の3月7日は5時まで)。無料。