第1回口頭弁論後、改めて捜査の違法性を問う決意を語る西山さん(右)=大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館

第1回口頭弁論後、改めて捜査の違法性を問う決意を語る西山さん(右)=大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館

 東近江市の湖東記念病院で2003年に患者を死亡させたとして、殺人罪で懲役12年の判決が確定し服役後、昨年3月に再審で無罪判決(確定)を受けた元看護助手西山美香さん(41)=彦根市=が、国と滋賀県に約4300万円を求めた国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が4日、大津地裁(堀部亮一裁判長)で開かれた。国と県側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 「悪いことをしたら謝るという当たり前のことを警察も検察もしない。これでは世の中だめなので追及していきたい」。再審無罪判決から約1年ぶりに法廷に立った西山さんは、閉廷後に会見し、落ち着いた表情で決意を語った。

 弁護団によると、捜査の違法性などを問う西山さん側の主張に対し、国や県は「追って主張を明らかにする」としているため、現時点で争点は定まっていない。だが、弁論後の非公開の協議では、堀部裁判長が「国よりも県の方が(違法と指摘を受ける範囲が)広く、実質的な答弁を聞きたい」と述べたという。

 井戸謙一弁護団長は「美香さんの苦しみを、刑事司法の改善に生かすための一歩を踏み出せた」と強調。県警や検察が「証拠」としながら開示していない捜査資料が多数あるとし、全ての捜査記録の提出を命じるよう、地裁に申し立てるとした。さらに、取り調べを担当した刑事や、患者の遺体を解剖し事件性を否定する所見を一時示した医師の証人尋問を請求する方針も明らかにした。

 国と県が争う姿勢を示したため、判決までは「早くて2年、普通は3年かかる」(井戸弁護団長)とされる。西山さんは「(県警などに)立ち向かえるように精神的に強くなりたい。(刑事に)『こういう風に取り調べただろ』と法廷で言います」と力強く語った。