2022年春に卒業する大学生・大学院生の新卒採用の会社説明会が解禁され、学生の就職活動が本格的に始まった。

 新型コロナウイルスの感染拡大による経済状況の悪化で、学生優位の「売り手市場」は様変わりしたとされる。

 感染予防の制約もある中での厳しい活動となりそうだが、学生たちは、自らの職業観や適性をしっかりと見定めてほしい。

 コロナ禍での就活は2年目となり、企業の合同説明会や大学での相談はオンライン化が進んでいる。対面形式は昨春以降に激減し、面接などもウェブ上に移行しており、「リモート就活」が定着しようとしている。

 オンライン化によって、合同説明会には一度に100社以上の企業が集まることもある。地方の学生らが地理的なハンディを超えて参加できる利点がある。

 ただ、普段からITの活用に慣れている学生とそうでない学生では、情報収集に大きな差がつくとの懸念がある。取り残される学生が出ないよう、大学側のきめ細かな支援が求められる。

 一方、実際に現場に集まって行われる企業セミナーやインターンシップも中止やオンラインへの変更が目立っている。学生からは、仕事の具体的な内容や職場の雰囲気をつかみにくい、といった声も上がっている。

 ミスマッチによる早期離職を防ぐためにも、採用側は感染対策を徹底しつつ、対面の説明会や企業訪問の機会を増やすよう配慮してもらいたい。

 21年卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年12月時点で82・2%で前年同期からは4・9ポイント落ち込んでいる。短大生は57・6%で、同14・4ポイント減と非常に厳しい状況となっている。

 旅行や交通、外食など雇用の維持に苦しんでいる業界が、新卒の採用を中止したり大幅に絞り込んだりしているためだ。内定を取り消す事例も発生している。コロナ禍の長期化で、22年春採用は「さらに厳しくなる」と見ている大学も多い。

 学生が就活に不安を抱くのも当然だろう。新たな就職氷河期世代を生み、不安定な雇用を広げることは避けなければならない。

 政府は卒業後3年以内の既卒者を新卒と扱うよう経済団体に要請している。大学や自治体とも連携し、コロナ後の経済社会を見据えた人材育成や働き方改革を後押しする必要がある。