「わてら先にいぬさけ、あとはせいだいきばってや」。職場でパートのおばあちゃんから江州弁で言われ、インドネシア人の技能実習生スリスティアさん(23)はきょとんとした▼先に失礼するわ。頑張ってね-の意味と後で分かったが「勉強した日本語と全然違う」と驚いたという▼栗東市で開かれた外国人の日本語スピーチ大会での一幕だ。湖国で暮らし、働く中で感じたことを15人が語った。日系ブラジル人女性は言葉の問題で悩む同胞の親子のため、日本語とポルトガル語の学童保育所を開きたいと夢を披露した▼出場者には工場で働く若者も目立った。「借金を返したらもう一度大学を受けたい」「仕事はきつくて毎日くたくたです」。前向きなスピーチの中に厳しい境遇がのぞく▼支えとなるのは故郷の家族と周囲の日本人の助けだ。スリスティアさんも「日本に来たのを後悔する時もあるが、おばあちゃんが孫のように優しくしてくれる」と笑顔を見せた▼草津市で外国人の相談に乗る喜久川修さん(69)は「大会に出た人は勤め先の理解があるほう。働きづめで、弱い立場に置かれている人も多い」と話す。「外国人材」と持ち上げる一方で、国も企業も暮らしの支援は後回しだ。せめて彼らが母国語や片言の日本語で発する声に耳を澄ましたい。