京都市上下水道局が売りに出した土地。予定価格の約3倍となる30億200万円で落札された(京都市伏見区横大路)

京都市上下水道局が売りに出した土地。予定価格の約3倍となる30億200万円で落札された(京都市伏見区横大路)

京都市上下水道局が売りに出した土地の場所

京都市上下水道局が売りに出した土地の場所

 京都市上下水道局が所有している伏見区横大路の土地約1万平方メートルが、2月に行われた一般競争入札で予定価格(9億8300万円)の約3倍となる30億200万円で落札された。市によると、記録が残る2004年以降で最高価格。国道や高速道路へのアクセスが良く、1万平方メートル規模の市有地が売りに出されるのは珍しいとあって競争性が高まったとみられる。市の担当者も「これほどの値段になるとは思っていなかった」と驚いている。

 落札された土地は、市の下水処理施設「伏見水環境保全センター」に隣接する土地。周辺地域の市街化による汚水量の増加を見込み、市土地開発公社が同センターの拡張用地として1993、94の両年度に約31億円で購入した。ところが想定よりも市街化は進まず、汚水量も増えなかった。土地は駐車場や資材置き場として企業に貸すぐらいしか使い道がない「塩漬け」状態が続いていた。

 技術の進展で処理施設のコンパクト化も可能となったことから、市上下水道局は2018年3月に「土地は不要」と判断、20年5月に約50億円で公社から買い戻した。路線価での時価額は約7億円で、20年度の同局予算に約43億円の特別損失を計上する事態となった。

 しかし、土地は国道1号に近く、名神高速道路、京滋バイパス、第二京阪道路の3高速道路へのアクセスに優れた好立地。京都市内で1万平方メートル規模のまとまった土地を手に入れられる機会は少なく、今年2月16日の入札は7社が参加する激戦となった。結果、オフィスビルや分譲マンションの開発を手がける不動産大手の東京建物(東京)が落札した。同社は「近年注力している物流施設の整備を含めて、今後活用を検討する」としている。

 売却益は上下水道局の下水道会計に収入として計上される。高額落札となったものの、約20億円の「損失」が出た。同局は「土地を購入した当時は必要と考えていたが、結果として不要となり、見通しが甘かったと言われても仕方が無い。下水道使用料にも間接的に影響しており、市民には大変申し訳ない」としている。